遺産分割協議書を作成する
相続が発生すると、相続人の間で「遺産分割協議」という話し合いを行います。被相続人(亡くなられた方)が生前に遺言書を残していれば、その内容に従って遺産分割を行いますが、遺言書を残していない場合には、「遺産分割協議」において遺産分割方法を具体的に決定していくのです。そして、話し合いによって遺産分割方法が決定したら、決定内容を「遺産分割協議書」に記録し、残しておきます。ここでは、「遺産分割協議書」について作成するにあたって知っておくべき基礎知識を確認していきましょう。
■遺産分割協議書を作るメリット
協議書を作る一番大きなメリットは、トラブルを未然に防ぐことができるという点です。遺産分割にトラブルはつきものですが、協議書は話し合いでの決定内容を記載する書類になりますので、あとになって一部の相続人から蒸し返されたとしても、話し合いを行って決定したという決定的な証拠になります。
そのほかのメリットとしては、相続手続きに利用できるという点です。相続するにあたっては、故人の名義を自分名義に変更したり、様々な手続が待っています。その際に、自分がきちんとした相続人であることの証明として協議書を利用するのです。
このように、遺産分割協議書は、相続人間での「契約書」としての役割と、公的機関に対する「証明書」としての役割を果たしてくれます。
■遺産分割協議書を作成する流れ
一口に遺産分割協議書を作成するといっても、作成する手順や重要なポイントがあります。一つずつ確認していきましょう。
まずは、遺産分割協議を開いて、遺産分割方法を決定してください。協議には、全員の参加と全員の合意が必要で、これを欠く場合には協議は無効になってしまいます。そして、協議によって合意内容が決定したら、いよいよ協議書の作成に移ります。
協議書の作成にあたっては、相続人全員の署名と、実印での押印が必要になります。実印であることの証明として、印鑑登録証明書があると良いでしょう。また、相続人全員が保管できるよう、同じものを複数作成しておくことをお勧めします。作成様式は特に決まっておらず、パソコンでも手書きでも良いことになっていますが、署名についてはもちろん自筆で行ってください。また、被相続人の名前や死亡日も書くことを忘れないようにしてください。
以上が遺産分割協議書についての基礎知識になります。フェアネス法律事務所では、相続についてのご相談を幅広く承っております。遺産分割協議書の作成に関してお悩みの方は、ぜひ当事務所までお気軽にお問い合わせください。
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弁護士紹介
昭和25年12月5日生まれ。慶應大学法学部を卒業。第二東京弁護士会に所属。弁護士として、30年以上のキャリアを持つベテランの弁護士です。
市民生活の法律問題全般や企業法務を幅広く扱っています。
また、社会問題への参画として日弁連裁判員本部委員を努めるなど、裁判員制度の推進・改善を目指す活動にも貢献。市民の皆様が裁判員として効率的に仕事ができるよう、有志で裁判員経験者との交流団体である裁判員経験者ネットワークを設立し、共同代表世話人として2ヶ月に一度、交流会を開催するなど、積極的な活動を続けています。
裁判員経験者ネットワーク https://saibanin-keiken.net/
弁護士 牧野 茂
- 所属団体
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- 第二東京弁護士会(17922)
- 第二東京弁護士会裁判員センター
- 日弁連刑事弁護センター幹事
- 著書
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- 裁判員裁判のいま(成文堂)
- 取調べの録画ビデオ~その撮り方と証拠化~(成文堂)
- 「民事陪審は実現できる」(二弁フロンティア2020年1月2月論考)
- 裁判員制度の10年(日本評論社)
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