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単独親権が共同親権になったことでの変更点は?

これまでの日本では、離婚後は父母のどちらか一方が親権を持つ単独親権制度が採用されていました。

2026年4月1日施行の民法改正により、離婚後も父母双方が親権を持つ共同親権制度が導入されました。

共同親権の導入により、離婚後の子どもの養育や教育に関するルールが大きく変わります。

この記事では、単独親権から共同親権になったことによる主な変更点について解説します。

共同親権が導入された背景

日本では長らく離婚後は単独親権のみが認められてきましたが、2026年4月1日施行の民法改正により、離婚後も共同親権を選択できるようになりました。

導入の背景としては、主に次の3つの要因が挙げられます。

 

  • 離婚後に子どもと会えなくなる親の存在や、養育費の未払いといった社会問題が深刻化していたこと
  • G20諸国の大半が共同親権を認めており、国際的な潮流に合わせる必要性が高まったこと
  • 2011年の民法改正時に共同親権の検討が決議され、その後10年以上かけて議論が積み重ねられてきたこと

 

共同親権の導入は「離婚後も父母双方が養育責任を持つことが子どもの利益につながる」という考え方に基づいています。

共同親権制度導入による主な変更点

共同親権制度の導入における民法改正の主なポイントは以下のとおりです。

 

  • 離婚後も共同親権を選択できるようになった
  • 親権者の決め方が変わった
  • 親権の行使方法が明確化された

 

それぞれの変更点について解説します。

離婚後も共同親権を選択できるようになった

改正前の民法では、離婚後は必ず父母のどちらか一方のみが親権を持つとされていました。

改正後は、父母の協議によって離婚後も共同親権を選択することが可能になります。

子どもの養育に両親が継続的に関与できる環境を整えることが、共同親権導入の大きな目的の1つです。

親権者の決め方が変わった

改正後は、離婚の際に父母が協議して単独親権とするか共同親権とするかを決めることになります。

協議が整わない場合や裁判離婚の場合には、家庭裁判所が、子どもの利益を考慮したうえで共同親権とするか単独親権とするかを判断します。

この際、家庭裁判所は、父母双方から意見を聴き、子どもの意思を可能な限り把握するよう努めなければなりません。

ただし、DVや虐待など、共同親権が子どもの利益を害すると認められる事情がある場合には、家庭裁判所は必ず単独親権を選択することになります。

親権の行使方法が明確化された

共同親権の場合、子どもの教育・医療・住所の変更など、子どもの生活に重要な影響を与える事項については、原則として父母双方の合意が必要となります。

ただし、監護教育に関する日常の行為をするときや、子どもの利益のために急迫の事情があるときには、単独での親権行使が可能です。

たとえば、子どもを虐待から避難させる必要がある場合や緊急で医療行為を受けさせる必要がある場合には、単独での親権行使が認められます。

日常的な養育行為と重要事項の決定とを明確に区別することで、子どもの生活が滞らないよう配慮されています。

親権の共同行使が必要な場面で父母の意見が対立した場合には、家庭裁判所に判断を求めることも可能です。

共同親権導入により期待される効果と懸念点

共同親権の導入には、次のような効果が期待されています。

 

  • 親権争いの回避
  • 養育費の不払い防止
  • 面会交流の積極的な実施

 

一方、共同親権制度の導入に対しては、懸念の声も上がっています。

主な懸念点は以下のとおりです。

 

  • DVや虐待がある場合に別居親からの干渉を受けるリスク
  • 父母間の対立が続く場合に子どもの生活への影響が生じる可能性
  • 重要事項の決定において父母間の合意が得られずに手続きが滞るリスク

 

こうした懸念に対応するため、改正法ではDVや虐待がある場合には家庭裁判所が単独親権を定めることができるとされています。

ただし、実際の運用において懸念点が解消されるか否かは、今後の動向を見守る必要があるでしょう。

共同親権に関して弁護士に相談するメリット

共同親権制度の導入により、離婚後の親権や養育に関するルールは複雑になっています。

単独親権とするか共同親権とするかの選択は、子どもの将来に大きく影響する重要な判断です。

弁護士に相談することで、個々の事情に応じた適切なアドバイスを受けることが可能です。

また、父母間の協議がまとまらない場合や、DVが絡む複雑なケースでも、弁護士が適切にサポートできます。

親権や離婚に関してお悩みの方は、早めに専門家へ相談することをおすすめします。

まとめ

共同親権制度の導入により、離婚後も父母双方が親権を持てるようになりました。

養育費の支払い確保や面会交流の実施への期待が高まる一方で、DVや虐待がある場合への対応など、運用面での課題も残っています。

フェアネス法律事務所では、共同親権や離婚に関するご相談を承っております。

親権についてお悩みの方は、まずはお気軽にご相談ください。

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弁護士紹介

昭和25年12月5日生まれ。慶應大学法学部を卒業。第二東京弁護士会に所属。弁護士として、30年以上のキャリアを持つベテランの弁護士です。


市民生活の法律問題全般や企業法務を幅広く扱っています。

また、社会問題への参画として日弁連裁判員本部委員を努めるなど、裁判員制度の推進・改善を目指す活動にも貢献。市民の皆様が裁判員として効率的に仕事ができるよう、有志で裁判員経験者との交流団体である裁判員経験者ネットワークを設立し、共同代表世話人として2ヶ月に一度、交流会を開催するなど、積極的な活動を続けています。


裁判員経験者ネットワーク https://saibanin-keiken.net/

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弁護士 牧野 茂

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  • 第二東京弁護士会(17922)
  • 第二東京弁護士会裁判員センター
  • 日弁連刑事弁護センター幹事 
著書
  • 裁判員裁判のいま(成文堂)
  • 取調べの録画ビデオ~その撮り方と証拠化~(成文堂)
  • 「民事陪審は実現できる」(二弁フロンティア2020年1月2月論考)
  • 裁判員制度の10年(日本評論社)

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