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建物の立ち退きに関する示談交渉|弁護士に依頼するメリットとは?

賃貸人と賃借人の間に生じた不動産トラブルにおいて、賃貸人が賃借人に対して立ち退きを求める場合があります。

法的には、契約の解除(民法541条)や契約の終了によって、賃借人に立ち退きを請求することができます。
もっとも、賃貸借契約(民法601条)においては異なる配慮が必要となり、示談で解決することが一般的であり、以下の理由から弁護士に依頼することが望ましい場合があります。
そこで、このページでは、不動産賃貸借契約終了における特別の配慮・示談交渉の方法・弁護士に依頼するメリットについてご紹介いたします。

 

◆不動産賃貸借契約終了における特別の配慮
契約の終了原因としては、賃借人に賃料不払い等の債務不履行がある場合の契約の解除や、契約期間の終了があります。
一方で、建物や建物の敷地の賃貸借契約において、対象となっている不動産は賃借人にとって生活の基盤となっており、長期的・継続的な契約関係を前提としていることが多いといえます。
そのため、契約の解除の場面では、単に債務不履行があるだけでは足りず、契約当事者間の信頼関係が破壊されているといえることが求められます。
もっとも、債務不履行があると、通常、信頼関係は破壊されるため、「信頼関係が破壊されたと認めるに足りる特段の事情」がないことが求められます。この場合、立退料の支払いは求められません。

契約の終了においては、賃借人の保護のために、民法や借地借家法に同人保護のための規定があります。例えば、建物賃貸借の契約解約を申し入れる場合や、賃借人からの契約更新を拒絶するような場合に「正当な事由」が要求されます。

 

◆示談交渉の方法
そのため、立ち退きをめぐる不動産トラブルにおいては、賃貸人に一定のハードルがあるため、訴訟で解決するよりも、示談交渉を行うことが一般的といえます。
示談交渉は、双方の合意によってトラブルを解決する契約であるので、上記ハードルは考慮要素にとどまります。

 

示談交渉の流れは以下のようになります。
・賃貸人の事情の説明
・賃借人の事情の説明
・立退料・立ち退き時期の譲歩

 

・賃貸人の事情の説明
賃借人に契約の不履行がないにもかかわらず、立ち退きを求める場合、賃貸人には立ち退きを求める理由があるはずです。

理由とともに、時期を提案することになります。
その際には、信頼関係を損ね譲歩に支障をきたさないためにも、正直に立ち退きを求める理由を説明することが求められます。

 

・賃借人の事情の説明
上述の通り、賃借人にとって対象となっている不動産は生活に重要なものであることが多いといえます。

賃借人との合意を求める示談交渉の性質上、賃貸人の事情のみならず、賃借人の事情をくみ取ることが必要となります。
そのため、賃借人が同不動産を使用する必要性の説明を受けて、後継不動産を見つけるまでに必要な期間や、立退料を検討する必要があります。

 

・立退料・立ち退き時期の譲歩
上記事情を考慮したうえで、立退料・立ち退き時期の交渉を行うことになります。
移転によって生じる損害の額はケースバイケースですが、最初の提示は移転先家賃の6か月分と引っ越し代金が目安となります。

 

◆弁護士に依頼するメリット
弁護士に示談交渉を依頼するメリットは、内容の合理性の確保と、解決に至る早さにあります。
利害衝突が起こった場合における交渉の際には、感情的になることが多く、合理的な議論ができないことが少なくありません。

弁護士は、法律問題のスペシャリストとして、冷静な議論を行うことができます。
また、経験上の落としどころや要点を熟知している弁護士が、争点を整理して効率的な議論ができるため、内容の合理性と、無駄の少ない解決を図ることができます。

 

当事務所は、法人、個人(社員、親族)のあらゆる法律相談に応じられる体制をとっております。一般民事法、会社法の相談ばかりではなく、特別法分野と言われる労働法、医療関係、知的財産権、独禁法、税法、倒産法、相続等まで全てをカバーしております。
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弁護士紹介

昭和25年12月5日生まれ。慶應大学法学部を卒業。第二東京弁護士会に所属。弁護士として、30年以上のキャリアを持つベテランの弁護士です。


市民生活の法律問題全般や企業法務を幅広く扱っています。

また、社会問題への参画として日弁連裁判員本部委員を努めるなど、裁判員制度の推進・改善を目指す活動にも貢献。市民の皆様が裁判員として効率的に仕事ができるよう、有志で裁判員経験者との交流団体である裁判員経験者ネットワークを設立し、共同代表世話人として2ヶ月に一度、交流会を開催するなど、積極的な活動を続けています。


裁判員経験者ネットワーク https://saibanin-keiken.net/


弁護士 牧野 茂

所属団体
  • 第二東京弁護士会(17922)
  • 第二東京弁護士会裁判員センター
  • 日弁連刑事弁護センター幹事 
著書
  • 裁判員裁判のいま(成文堂)
  • 取調べの録画ビデオ~その撮り方と証拠化~(成文堂)
  • 「民事陪審は実現できる」(二弁フロンティア2020年1月2月論考)
  • 裁判員制度の10年(日本評論社)

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