夫や妻が不倫を認めない時の対処法
配偶者が不倫をしていることは日頃の言動から(直感で)確信しているけれども、配偶者が不倫を認めない、不倫の確たるものがなく言い出せない、または不倫をしていることを暴いたところで何をすればいいかわからない、というように、不倫に関しては問題が連鎖して生じます。
ここでは夫または妻が不倫を認めないときにどうすればいいかについて見ていきます。
そもそもどこからが不倫なのかと疑問に思われるかもしれません。法律上でも確固たる基準があるわけでもなく、判例でも「平穏な婚姻共同生活の維持」の侵害が不倫にあたるとされているだけです(最判平成8年3月26日民集 50巻4号993頁)。ただ、より具体的には性交渉をしたかどうかが不倫のメルクマールとして機能すると考えられるでしょう(判例タイムズ1278号45頁以下参照)。
しかし、性交渉をしたかどうかを実際に見なければ不倫の事実を突き止めたことにならないのでしょうか。
本来不倫とは本人たちもバレないように気をつけているものなので、なかなか不倫現場を目撃できないところに困難性があるものでした。
しかし他の証拠により不倫の事実を推認することは十分可能です。具体的にはメールやlineでのメッセージや配偶者の衣服やカバンから出てきた領収書などがそれにあたります。確かに間接的な証拠に過ぎませんが、このような証拠があるだけでも第三者に対する説得力は大きく異なります。
証拠を伴って不倫の事実を突き止めた後に、どのような行動をするべきかについては2つの方向があると考えます。
1つには配偶者に不倫したことを謝ってもらい、また健全な夫婦関係を営めるように和解をするという方向です。
もう1つは配偶者と離婚をするという方向です。離婚は配偶者の不貞行為により成立しますし(民法770条1項1号)、精神苦痛を被ったとして慰謝料請求をすることもできます(同法709条、710条)。ただし、被害者が配偶者の不貞行為を知ったときから3年、または不貞行為の時から20年経過した場合に、時効により慰謝料請求をすることはできなくなります(同法724条各号)。
フェアネス法律事務所は離婚に関するご相談を受け付けております。まずはお気軽にお問合せください。
当事務所が提供する基礎知識
-
裁判員制度とは
裁判員制度とは、国民が裁判官とともに刑事裁判に参加し、被告人が有罪であるか否か、有罪であるとしてどのような刑罰を課すかを判断するものです。殺人事件や放火事件など、国民の関心が高い重大犯罪について制度の対象となっています。 […]
-
欠陥住宅
新築の住宅に雨漏りが生じたり、不自然な隙間が見つかったりして、欠陥住宅であることが判明した場合、一定の場合では法的な救済を得ることができます。見つかった欠陥をそのまま放置するのではなく、建築業者や不動産業者に報告すること […]
-
裁判員が行う仕事と役...
裁判員は刑事裁判に参加します。刑事事件の審理に参加し、証人や被告人に対する質問を行います。また、証拠の取調べも行います。審理を終えたあとは評議を行います。審理を通して知った事実や証拠に基づいて、被告人が無罪であるか有罪で […]
-
再開発事業に関するト...
■再開発事業問題とは将来的に新たな街づくりを行う際、複数の土地をまとめて一体的に建て替えることを都市再開発といいます。再開発事業問題とは、こうした都市再開発に伴う古い土地(元の土地)に住まれている方への立ち退き料の支払い […]
-
不動産売買契約
不動産は高額であるため、その売買の際にはトラブルが発生するケースが多くあります。場合によっては、多額の違約金や損害賠償金を請求されてしまうこともあるため、なるべくトラブルの回避を心掛けることが重要です。 ■不動 […]
-
離婚における公正証書...
離婚するときには、「離婚協議書を公正証書にした方が良い」と聞かれた方もいらっしゃると思います。この記事では、離婚における公正証書作成のメリットについて解説します。離婚における公正証書とは離婚における公正証書とは、公証役場 […]
よく検索されるキーワード
弁護士紹介
昭和25年12月5日生まれ。慶應大学法学部を卒業。第二東京弁護士会に所属。弁護士として、30年以上のキャリアを持つベテランの弁護士です。
市民生活の法律問題全般や企業法務を幅広く扱っています。
また、社会問題への参画として日弁連裁判員本部委員を努めるなど、裁判員制度の推進・改善を目指す活動にも貢献。市民の皆様が裁判員として効率的に仕事ができるよう、有志で裁判員経験者との交流団体である裁判員経験者ネットワークを設立し、共同代表世話人として2ヶ月に一度、交流会を開催するなど、積極的な活動を続けています。
裁判員経験者ネットワーク https://saibanin-keiken.net/
弁護士 牧野 茂
- 所属団体
-
- 第二東京弁護士会(17922)
- 第二東京弁護士会裁判員センター
- 日弁連刑事弁護センター幹事
- 著書
-
- 裁判員裁判のいま(成文堂)
- 取調べの録画ビデオ~その撮り方と証拠化~(成文堂)
- 「民事陪審は実現できる」(二弁フロンティア2020年1月2月論考)
- 裁判員制度の10年(日本評論社)
事務所概要
名称 | フェアネス法律事務所 弁護士 牧野 茂 |
---|---|
所在地 | 〒100-0013 東京都千代田区霞が関1-4-1 日土地ビル10階 |
電話番号 / FAX番号 | TEL:03-3500-5330 / FAX:03-3500-5331 |
対応時間 | 平日:9:00~18:00 ※時間外も対応しております(要予約) |
定休日 | 土・日・祝日 ※対応しております(要予約) |
アクセス |
地下鉄銀座線虎ノ門駅下車(7番出口より徒歩1分) 丸ノ内線・日比谷線・千代田線 霞が関駅下車 A12出口より 徒歩3分 |